5/2/2021 投稿日 2021年5月3日 著者 かめの幸カンパニー 山梨鐐平カテゴリー 山梨鐐平の世界/トップニュース その日、この若い王は羊飼いの格好をしてひとり村に下りて行った。そこには祭りがあって酒があって笑いがあった。王は粉ひきの娘と恋をして一夜を共にした。朝方、水車小屋で目覚めた時、娘はいなかった。王が小屋を出ようとしたまさにその時、娘がやって来て言った。「お城にお帰りの途中でお召し上がり下さい。」それは娘の焼いたパンに黒スグリのジャムとチーズがはさんであるものだった。此処でつまびらかには申さないが、ともあれその一つにその夜、それを拒んだこの娘の心をこの王はいとも寛容に尊重した。