7/21/2021 投稿日 2021年7月22日 著者 かめの幸カンパニー 山梨鐐平カテゴリー 山梨鐐平の世界/トップニュース 私は迷路の街を駆け抜けて、カンポ広場に飛び込みました。ところでそこは、人影も無く陽炎の如く揺れる不思議な静寂に支配されていたのでございます。大きな楕円形のその石畳の広場に、私の靴音だけが悪戯に響いておりました。遠く聴こえるのは、荷馬車を引く蹄の音と、微かにチェロの調弦の音・・・。チェロ!見上げればその音は、今にも折れそうな程に細く、頗る高い塔の上、その小さな窓から私を呼んでいたのでございます。 (つづく)